2012年9月26日水曜日

日本人の生活文化とその伝統

この新しいタイプの人材は社内の情報だけでなくて社外の情報や異業種間の交流による新しい情報を人的なネットワークや電気通信ネットワークによって収集し、処理し、新しい情報を発信できる人材となることでしょう。

自動車のような高度な工業製品を組み合わせた製品でさえ、消費者の所得水準や好みにあわせた「多品種少量生産」を目指すようになり、いまや、優れた人材をどれだけ確保しうるか、が企業の最も強力な競争力要因として位置づけられてきました。

現代企業が急に「我が社の文化的なイメージ」を強調しはじめたのは、人材の確保ということになりますと文化を尊重する雰囲気があるか、ないか、が人間の将来を託する就職にあたって大きな影響を与えることが自覚されてきたからではないでしょうか。

職人気質を育てた日本の生活文化と情報化社会における職人文化の再生 つぎに文化白書が指摘する第二の問題に移りましよう。それは日本において長い歴史とともに継承されてきた伝統的な文化や習慣が庶民生活のなかに根づよく息づいているという問題と関わっています。

日本の地域社会には陶器、木製品、竹製品、金属製品、繊維製品など伝統的な工芸や伝統産業が多く、人々は「職人的な名人芸」に強い関心をもってきました。また食文化や衣料に関連した文化、住宅や趣味の文化などについても茶道、華道などの伝統を採り入れて他国にはみられない独自の多様性や質の高さをもっています。白書によりますとこの点は次のように指摘されています。

「従来、我が国民は、書画をはじめ和歌、俳諧等の文芸、謡曲、舞踊、芝居等の歌舞音曲から茶道、華道などに及ぶ芸術ないし生活芸術を愛好し、素養として身につけ、あるいは趣味としてたしなんできた。また、盆栽、園芸などの生活文化や囲碁、将棋などの国民娯楽にも長い間にわたって親しんできた伝統がある。」