2016年2月17日水曜日

日本の社会保障の現状

住宅も生活に大きな影響を及ぼします。在宅福祉の推進が近年叫ばれていますが、在宅の宅。すなわち住宅に十分な広さと良好な環境がなければ、絵に描いた餅に終わってしまいます。福祉先進国の北欧諸国では「住宅は福祉の基礎」といわれています。

教育も機会均等をはかるうえで、重要な要素です。どんな教育を受けたかが、どんな職業につけるか、どのくらいの収入を得られるかを大きく左右します。良好な教育機会が家庭の貧富にかかわりなく与えられなければなりません。まちづくりも社会保障と大きなかかわりがあります。誰もが自由に働くことのできる社会は、高齢者、障害者、乳幼児を抱えた親などが外出し。仕事をし、生活するうえで大切なことです。

さて、わが国の社会保障はどのように生活を保障しているのでしょうか。それをわかりやすく、出生から死亡までの生涯にわたって、図示しだのが次ページの図です。出生から死亡まで体系的に整備されています。その水準も年金の給付額や医療の受けやすさなどの点で基本的に欧米と遜色のない水準に達しているといわれています。

ご方、福祉の面では不十分なサービス水準にとどまっています。保育所の待機児童の多さ、障害者を持つ家庭の苦労、高齢者の福祉の不十分さ。これらの福祉分野の施策はこれまで、ほぼ全額税金の投入で行われてきました。税金はどうしても他の分野の施策と競合し、予算額も前年踏襲で飛躍的な増加はなかなか望めません。わが国の中央集権体制も影響して、地域福祉の独白の展開も、権限・財源の両面から難しいものがありました。

社会保険で独白の財源を確保して、制度の拡充を行ってきた医療や年金と比べて、どうしても見劣りがする原因がここにあります。介護保険の創設は、福祉分野に保険的手法を導入した初めての例です。何でも保険でというわけにはいきませんが、税を主体に行うにしても、民間の力をどう活用していくかが問われている時代といえましょう。