2012年7月2日月曜日

県の重点推進プロジェクト

東青地域(青森市と東津軽郡4町村)で生産されたそばを新たな青森名物にしようという試みが官民共同で本格的に動き出した。作付地域が、陸奥湾を望むJR津軽海峡線や国道 280号、4号沿いに集中していることから「あおもり海道そば」というネーミングで県内外に売り込んでいく。

既に地元でフォアグラを生産している企業とタイアップし、フランス鴨を使った「鴨南蛮そば」を開発、商品化した。関係者はリンゴ、ホタテに次ぐ東青ブランドの確立を目指している。

そばの作付面積は平成19年の国の調査で約2880ヘクタール。このうち、東青地域は約1200ヘクタールで県内一の作付面積を誇る。ただ、転作(生産調整)で農家にとっては手間がかからず、奨励金がもらえるという理由からそばを作付けしているのが実情。

「実際、そば栽培に力を入れている農家は少ない」と県東青地域県民局地域農林水産部普及指導室の長内明人主幹(現県農林水産政策課主幹)。しかも、排水不良などで生産が不安定なため、刈り取り面積は3割程度に過ぎない。

こうした中、集落営農組織や転作組合などが東青産そばを名物にしようと立ち上がり、自然乾燥や低温貯蔵による品質の向上などに取り組んだ。さらに、そば打ち研究会を発足させ、青森市内のそば店に玄そばやそば粉を提供するとともに、そば打ちの技術を磨き、イベントを通じてめんの販売や試食を行ってきた。

同時に同県民局では青森「そばの里づくり」を最重点事項に位置付け、排水対策の徹底や優良品種への切り替えなど技術面と乾燥方法の改善、小口出荷体系の確立に本腰を入れた。昨年6月には県の重点推進プロジェクトとして「東青そば海道づくり推進事業」を立ち上げた。